2000年6月の一枚
昔の一枚はこちら
6月30日(金)はれ 「INSTANT REPLAY/PIZZICATO FIVE」
1992年のステージを収録したライブ盤である。前半は野宮真貴を大々的にフューチャーしてジャズっぽいアレンジ。ドラム、ベース、ビブラフォン、ピアノという構成で、女優シリーズの曲を演奏。2部は、ピチカートとして初期の曲も織り混ぜての演奏である。中でも「皆笑った」はせつなさを感じさせる名演であると思う。
ギタリストは窪田晴男が参加。ピチカートの音楽性に合わせた幅広い演奏を聞かせてくれる。オートワウの使い方は、個人的にとても参考になった。
6月29日(木)くもり 「CORNERSTONE/STYX」
ちょっとプログレっぽさを感じさせるロックグループの出世作である。ここに収められたバラード「ベイブ」が大ヒットを記録したのである。また、日本のみでカットされた「ボート・オン・ザ・リバー」もヒットした。ハードだけでなくこうしたアコースティックな路線でもこなせる間口の広いグループではあった。デニス・デ・ヤング、トミー・ショウ、ジェームス・ヤングという3人の個性がバランス良く配置され、中でも「ベイブ」により開花したデニス・デ・ヤングはその後もバラード路線でヒットを生み出した。この「ベイブ」という曲は印象的なピアノのイントロにデニスの声が絡み合い、徐々にバンドが絡んでいくという王道アレンジで、今聞いてもこのイントロは素晴らしいと思う。
6月28日(水)雨 「TEASER/TOMMY BOLIN」
リッチー・ブラックモアの後を受けてディープ・パープルに加入したギタリストのソロアルバムである。
パープルに加入ということを考えるとロックなギタリストを思い浮かべるが、ここにはロック、ジャズ等の枠に因われない様々なスタイルのプレイを披露する姿がある。パープルのアルバムを聞いていないのでなんとも言えないが、この音がどのようにパープルに絡んでいったのかは興味があるところである。このアルバムではジェフ・ポーカロ、デビッド・サンボーン、デビッド・サンボーン等、今をときめくミュージシャン達がバックをつとめている。このあたりも聞きどころかも。ドラッグにより25歳にしてこの世を去ったが、彼が残した音を聞くと残念でならない。
6月26日(月)くもり 「Legacy of You/角松敏生」
角松敏生2枚目のインストアルバムである。もともとサウンドはフュージョン指向でバック・メンバーも一流どころを揃えていたが、このアルバムでも鈴木茂、ポンタをはじめお馴染みのマンバーをバックに思う存分ギターを弾きまくっている。ギターのテク云々より、アレンジも含めたトータルサウンドとして楽しいフュージョンアルバムに仕上がっています。ギターのフレーズにも角松節がそこいらじゅうにちりばめられていて、ギタリスト角松のすべてをここに出しているのではないでしょうか?
アレンジ面でも、三味線をフューチャーした曲もあり日本のメロディーを感じさせるつくりにはいつものこだわりを感じます。曲のタイトルにはすべて副題として女性の名前がついており、中には森高千里を題材にした曲もあったりします。
テクとかは別にして、なんとなく親近感を感じてしまう、ギタリスト角松です。
6月21日(水)くもり 「UNION/YES」
イエスというグループはとにかくメンバーを変化させながら一貫してポップなメロディを変拍子にのせるといったスタイルを続けてきたグループである。そこには、ジョン・アンダーソンのボーカル無くしては語れないであろう。一時的にトレバー・ホーンにその座を譲ったもののほとんどの曲は彼のボーカルによるものでありその透き通った歌声は難解とも捕らえられがちなイエスの曲をポップに導いているようにも感じられる。
さて、このアルバムはABW&Hと90125の楽曲が一枚に収められたアルバムである。別々に録音されていたものであるが、いろいろな経緯を経て同じCDに刻まれることになった。残念ながら参加者全員で録音された曲は収められていないが、その夢はその後のツアーで叶えられた。大人数によるそのステージはYESのヒット曲すべてを網羅したファンにはたまらないものであった。
イエスとしてのカラーはジョンによるものが大きいと書いたが、そこにさらなる脚色をしているのがスティーブ・ハウとトレヴァー・ラビンのギターである。このアルバムでもABW&Hと90125の違いは日ターを聞けばすぐに判るほどで、スティーブの独特なリフ、トレヴァーの現代的なフレーズとまったく異なる二人のアプローチが興味深い。
6月19日(月)はれ 「Y.O.K.O.H.A.M.A/柳ジョージ&RAINYWOOD」
昨日・今日と梅雨の晴れ間となっていますが、雨といって思い浮かぶのが「雨に泣いている」です。この曲のヒットにより柳ジョージも一気にメジャーシーンへと踊り出ました。それまではどちらかといえば通好みなバンドだったのが後に続いた「さらばミシシッピー」のヒットも手伝って渋いオヤジロックバンドとしてその地位を築きました。
このアルバムは「雨に泣いている」をはじめとして「プリズナー」「本牧綺談」「ヘイダーリン」等彼らの代表曲が数多く納められている。
髭面にしゃがれた声、黒のストラトとクラプトンにを思わせるイメージを持つ柳ジョージをフロントに据えるこのバンドのサウンドは、アメリカのホワイト・ブルースを感じさせる。それはまさに「フェンスの向こうのアメリカ」そのものであった。
6月16日(金)はれ 「It's a poppin' time/山下達郎」
山下達郎3枚目のオリジナルアルバムであるライブ盤である。しかし、ここではライブ盤にありがつなベスト色の濃い内容ではなく収録曲の半数が他のアルバムに未収録でオリジナル盤と呼ぶのにふさわしいものとなっている。中でもブレッド&バターのカバーである「ピンク・シャドウ」はオリジナルかと思わせるような出来である。
また、演奏のスタイルも六ピという場所柄かセッション色の強いアレンジとなっており「エスケイプ」では10分以上にも及んでいる。バックを務めるのはポンタ、坂本龍一の他いずれもフュージョン界の中心メンバーであり、当時からの達郎氏のこだわりが感じられる。
こういったテンションのライブ、ライブハウスならではの雰囲気ですが是非とも聞いてみたいですね。
6月15日(木)はれ 「money for nothing/DIRE STRAITS」
同名シングルのタイトルをとったベストアルバムである。同タイトルのシングルはMTV時代を猛烈に皮肉った内容で、それまでのダイアー・ストレイツのサウンドとは違ったハードなアレンジでビデオクリップと共に大ヒットを記録した。
デビュー当時はマーク・ノップラ−の指から生まれるクリーンなギターサウンドとボブ・ディランっぽいボーカルを哀愁の満ちたメロディーに乗せるといったスタイルで、デビュー曲の「哀しきサルタン」をヒットさせてその地位を確立した。最近ではグループとしての話は耳にしないが、マーク・ノップラ−は時々誰かのライブに顔を出しては特徴のあるギターサウンドを聞かせてくれている。私自身にとっては東京ドームで行われたクラプトンの25周年記念ライブでの「マネー・フォー・ナッシング」のカッコヨサが耳に残っています。
6月14日(水)雨 「THE BEST OF CHRISTOPHER CROSS/CHRISTOPHER CROSS」
デビューアルバム「南から来た男」でグラミー賞の新人賞をはじめ主要部門を荒らしたのがAOR全盛時に飛び出したクリストファー・クロスである。
アルバムジャケットはフラミンゴをデザインしたもので本人の姿は当初マスコミには明らかになっていなかったのである。初めて姿を見たのは確か11PMの洋楽紹介のコーナーでのビデオクリップ。透明感のあるその声から想像されるイメージからはちょっと外した^^;姿にショックを受けたものである(岡本真夜をはじめて見たときに似ているかも^^;)。そして、ストラトでソロを弾きまくる姿に二度びっくり。
デビュー曲の「風立ちぬ(って松田聖子みたい^^;)」はロックっぽいハードな曲であったが、「セイリング」「ニューヨークシティ・セレナーデ」等のバラードナンバーでその評価を高めた。現在ではさっぱり音沙汰もきくことはないのだが、AOR時代を担った一人として欠かすことはできないであろう。
6月13日(火)雨 「Stuff/Stuff」
かつてのフュージョン/クロス・オーバー人気の一端を担ったグループである。ニューヨークのスタジオ・ミュージシャンが終結して結成されたこのグループはツイン・ドラムス、ツイン・ギター、ベース、キーボードという編成でジャズはもとよりポップ、ソウル、ブルースとまさにフュージョンしていたグループでした。スタッフというグループは知らなくても曲を聞いたことはあるんじゃないかな?と思うくらい心地よい曲が並んでいます。
ギタリストとしてはコーネル・デュプリー、エリック・ゲイルという個性派の二人が揃いそれぞれ味のあるプレイをきかせてくれます。フェイザーの使い方なんかは時代を感じさせます。
そして、なによりリチャード・ティーの素晴らしいピアノは影響を受けたミュージシャンも多いのではないでしょうか。
梅雨でじめじめした気持ちをさわやかにしてくれる、そんな一枚です。
6月12日(月)雨 「LIVE/CASIOPEA」
SSVのライブでバンマスのお宅にお邪魔したときに、「EYSE OF MIND」のLPがあり懐かしさのあまり思わず聞かせていただきました。で、このCDを聞いています。
私にとってのカシオペアは音楽を真剣に聞き始めた頃、なぜかパーツセンターの人と親しくなりそこで死ぬほど「クロスポイント」を聞かされて以来です。そしてずるずるとその人からテープを借りたりして聞くようになりました。いわばフュージョンの入り口になったバンドであります。
このライブは85年に発売された一番油ののっている時期のアルバムです。その後、ボーカルと絡んだり(西条秀樹とやったりもしてましたね)、メンバーチェンジの末に現在に至るのですが個人的には初期からこの後のパーフェクトライブあたりまでが一番好きです。曲もこなれているし、バンドとしてのノリも一番だと思います。
ギター他の機材はヤマハで延々と続いて現在でもそれは変わっていません。この頃はモジュールタイプになっているコンパクトタイプのエフェクターを多数使用していました。バンド全体がヤマハのサウンド・サンプルみたいで業界でも特異な存在ではないでしょうか。
戻る