2002年10月の1枚

10月31日(木)はれ 「PSYCHE Best/Char」

 「Flashback Memories」とサブタイトルがつけられたCharのベスト、というよりはレアリティーズっぽいアルバムです。アコースティックの小曲を所々にはさみながら、渋谷公会堂でのライブ等が収められています。石井竜也作詞の「2918」なんかはいい感じですね。TVではCharのギターをバックに石井本人が歌っていたりしました。また、同じ曲で歌詞が異なる「ALL AROUND ME」はCharの代表曲ではないでしょうか。

10月30日(水)はれ 「Midnight Madness/Night Ranger」

 ナイトレンジャーがブレイクしたセカンドアルバム。ストラトで華麗なアーミングを披露するブラッド・ギルス、レスポールのフィンガーボードを8フィンガー奏法で華麗にかけまわるジェフ・ワトソンの二人を擁するこのバンドの個性は、アルバムの冒頭を飾り、シングルヒットした「Rock in America」によく現れている。
 また、曲についてもバラードの「Sister Chrichan」等、前作に比べてバリエーションも豊かになり、幅が広がったように思います。
 当時、ギター雑誌ではよく取り上げられていましたねぇ。

10月29日(火)はれ 「Dawn Patrol/Night Ranger」

 ツインギターがウリのアメリカンロックバンドのファーストアルバム。ブレイクするのは2枚目なんですが、ここではなんといっても1曲目。イントロとエンディングが日本の某アイドルグループ(もう解散してますねぇ)の曲でパクられていました。これはもう、クリソツです。

10月28日(月)はれ 「Bundles/Soft Machine」

 アラン・ホールズワースが参加した唯一のアルバムである、ジャズ・ロックグループの8枚目のアルバムである。アランのギターは非常にロック的であり、複雑なボイシングを基本とした彼独特のプレイスタイルと比較するとちょっと意外な気もする。UKでもその片鱗は見せてくれていましたが、こちらのアルバムではアランのプレイが全面的にフューチャされていて、、アランのギターを堪能したい人には必聴の1枚でしょう。

10月27日(日)はれ 「Solid State Survivor/Yellow Magic Orchestra」

 ライブアルバム収録後に発売された、音楽界に多大なる影響を与えたYMOのセカンドアルバム。今、こうして聞き返すと意外とシンプルな音作りがされていることに気が付きます。コンピュータにシンクロしているような高橋幸弘のドラム、独特のうねりを感じさせる細野晴臣のベース、そして華麗なメロディを奏でる坂本龍一のキーボード。Technopolis、Rydeen、クラプトンもカバーしたBehind The Mask等、代表曲も多数収められており、お勧めの一枚です。また、ギターとして鮎川誠が一味加えてくれます。

10月26日(土)雨のち曇り「Faker Holic/Yellow Magic Orchestra」

 YMOのワールド・ツアーを収めたライブアルバムである。同一の音源ですでに発売されていた「公的抑圧」というアルバムがあったが、アーティストの契約上の問題でギターがシンセに差し替えられていた。今回はすべて原音で収められているため、渡辺香津美のギターも聞くことができる。
 最近の発達した技術から考えると、音やテクニック的にいろいろあるかもしれないが、やはり20年前にこれが行われていたということに意義があるのでえしょう。細野晴臣のコンセプトを元に、東洋の神秘を振りまきながらシンセを効果的につかって近代的、かつ親しみやすい音を聞かせるこのユニットは、その後多数登場するフォロワーを考えると影響の大きさがわかるでしょう。
 2枚組のアルバムは1枚がヨーロッパ、もう1枚がニューヨークのボトム・ラインでの演奏を収めたものである。同じツアーでも音色、演奏が変化しているところが良くわかる。個人的には音がいいニューヨーク録音が好きです。渡辺香津美のギターはどことなく堅さが見られます。音色もあまりいけてないかなぁと思ったりして。

10月25日(金)くもり 「The Square Live/The Square」

 日本にフュージョンというジャンルを確固たる地位につけたのは、カシオペアとこのスクエアの功績によるところが大きいでしょう。このライブアルバムにはCMやF1のテーマソングでブレイクした直後の、のりにのったライブが収められております。親しみやすいメロディ、さりげなくちりばめられるテクニック、カシオペアとは違ったファンをつかんだと思います。一度だけライブに行きましたが、やたらと女性が多くてびっくりしてしまった覚えがあります。
 また、リリコンという楽器を広めたのもスクエアでしょう。ノリのいい曲はリリコン、しっとりと聞かせる曲はSaxと、その特性を活かして使い分けられているように思います。

10月23日(水)くもり 「流宇夢サウンド'95/松原正樹」

 一応、続編のような名前がついていますが、それほど内容的につながりはないように思います。前作が再発になったのに合わせて出されたので、そのせいで同じタイトルをつけているのかも。
 5曲入りのミニアルバムですが、これ1枚だけで松原正樹の魅力がぎゅっと凝縮されているような密度の濃い内容です。個人的に特に「Dolphin」はアレンジ、音色、フレーズ等すべてが松原正樹を表している、そんな気がします。

10月22日(火)晴れ 「流宇夢サウンド/松原正樹」

 これも80年頃の松原正樹のソロアルバム。前の二人に比べてずっとギターが全面にでています。コンプが効いたクリーン・トーンがメインで、歪みはSD1の軽めのひずみがなんともいえません。個人的には松原正樹の音色は好きなので、これまで紹介した同年代のうちでは一番お気に入りです。

10月20日(日)くもり 「SMASH THE GLASS/土方隆行」

 こちらも80年にマライアのメンバーを中心に録音されています。ギター・ソロにバロック風のメロディを取り入れたりと、あれこれ試している姿がうかがえます。ただ、なんとなくオーバー・プロデュースのような気もします。他人のバックでの演奏、アレンジではいろいろ考えて、抑えながらやっていると思いますが、いざ、自分の好きなことができるとなると、あれも、これもってなってしまうのでしょうか。個人的には、土方さんのギターってロックっぽくて好きです。

10月19日(土)曇り時々雨「Studio Cat/今剛」

 セッション・ギタリスト、今剛のソロアルバム。いろんな人のバック(最近では井上陽水とか)で弾いていますが、以外にもソロ・アルバムはあまりないようで、これは80年に発表されたものです。アメリカのA&Mスタジオで録音されていたり、ボーカル・ナンバーを含んでいたりといろいろ力が入った作品ですが、なんとなくギターが遠くに聞こえるようなミックスで、ちょっとつまんないかも。それと、ギターの音色はライン録りっぽり、いかにもあの頃のギターの音ですね。他人のバックの方がいいプレイが多いのは宿命なんでしょうか...。

10月18日(金)雨のち曇り「一期一会/オムニバス」

 SPITZのトリビュート・アルバム。ほんとに多いですね、こうしたアルバム。今回はユーミンにつられて買ってしまいましたが、他のアーティストもなかなか良かったです。特に椎名林檎、奥田民生はどこからきっても二人の歌そのものでした。SPITZの曲をカバーしていると言うよりは、SPITZに書いてもらった自分のオリジナル、そんな堂々とした雰囲気が曲いっぱいにただよいます。
 もちろん、ユーミンも良かったです。あまりにユーミンらしいアレンジ。マンタかなと思ったら、富田恵一でした。いつものユーミン以上にユーミンしているアレンジは、観察力のたまものなんでしょうか。ギターやピアノの使い方は初期〜中期のユーミンそのものでした。
 これらの3曲を聞けただけでも買ってよかった、そう思わせるアルバムです。でも、これって普段あまりSPITZを聞かないからそう思うのかもしれないですけどね。

10月17日(木)はれ 「Che Che-Bye Bye/種ともこ」

 武部聡志アレンジによる3枚目は初期の種ちゃんの集大成といった感じです。統一した雰囲気は、「旅、旅立ち」がテーマの曲が多いせいかもしれません。初期の種ちゃんのアルバムの中では一番お勧めの一枚です。「瞳の中の少年」はアニメのテーマソングにもなりました。

10月16日(水)はれ 「みんな愛のせいね/種ともこ」

 2枚目は前作の延長で、愛をテーマにしたアルバムでした。曲も、「気がついてよMy Boy」等、ライブで以前から披露されていた曲も何曲か含まれていたりします。種ちゃんの曲は、男性(しかも少年)からの気持ちを歌った曲も結構、おおかったり、どちらかといえば、懐かしい頃の気持ちを歌った曲が多いと思います。最近の種ちゃんには歌いづらかったりするんでしょうか。

10月15日(火)くもり 「いっしょにね/種ともこ」

 種ちゃんのデビュー・アルバムです。デビュー当初から聞きつづけていたのは種ちゃんくらいでしょうか。初めてエッグマンでライブを見たときには、かわいいさとポップさ、そして独特のメロディ感がなんともいえず、はまり込んでしまいました。
 このアルバムは一見、打ち込みばかりに聞こえますが、実は武部聡志のプロデュースの下、鳥山雄二、青山純など、そうそうたるメンバーがバックを勤めています。そんな中でも、種ちゃんのボーカルと音の世界は際立っています。

10月11日(金)晴れ 「Bobby Caldwell/Bobby Caldwell」

 AOR全盛時に「風のシルエット」というなんともいえない邦題を持つ「What you won't do for love」という大ヒット曲を収めたファーストアルバム。ボビーは作詞・作曲以外にギター、ベース、キーボード等もこなしているマルチ・プレーヤーでした。なんとも中途半端な「カリンバ・ソング」を除けば、今でもCMに使われれるような佳曲が収められているように思います。

10月8日(火)晴れ 「Fish Dance/是方博邦」

 まだ髪が短かった頃の、ソロ・アルバム。ライブに行くようになってから中古で入手(現在廃盤)したのですが...うーん、ライブを先に聴いてしまうと全ての点で物足りないです。音色、フレージング、迫力、繊細さetc。レスポールを持った写真はなかなかかっこいいです。

10月7日(月)雨のち曇り 「Straight to the heart/David Sanborn」

 最近のサックスプレーヤーに多大な影響を与えているプレーヤーである。難解なジャズではなく、非常にわかりやすく、また、ボーカルナンバーなど親しみやすさも兼ね備えた、まさにフュージョン時代のトップをいく一人であると思う。
 このライブアルバムも、そうしたエッセンスが詰め込まれている。収録時間のためか、一部エンディングがフェードアウトしたりと、欲求不満な面は残るものの、デビッドのサックス以外にもマーカス・ミラーやハイラム・ブロック等聞き所は多いです。

10月5日(土)はれ 「Chicago IX/Chicago」

 シカゴの9枚目となるグレイテスト・ヒット。先日のテレビ東京の番組で、「Saturday in the Park」が特集されていて、懐かしく思ってしまいました。近年では甘いバラードがシカゴの印象としては強いかもしれませんが、初期のシカゴは社会派で、ホーンセクションを生かした構成から生れるロック、ジャズを網羅したそのサウンドは、今聞いてもどきどきします。ボーカルもさることながら、演奏も多くフューチャされており、「素直になれなくて」しか知らない人はびっくりするかも。
 ギタリストのテリー・キャスはロシアン・ルーレットで命を落としたといいます。初期のシカゴを支えたそのサウンドは、ある種の狂気から生れていたのかもしれません。

10月3日(木)はれ 「STAR BOX/JOURNEY」

 限定で発売されたSONY系アーティストのベストアルバムシリーズのJOURNEY版。スティーブ・ペリー加入後の代表曲が網羅されている。年代順に収録されているため、徐々にポップになっていく様がよくわかる。ニール・ショーンのギターは、今改めて聞いてみると、結構ストレートな音色でいい感じでしたね。
 このシリーズは意外に選曲が充実していて、他のアーティストのものも結構人気があったように思います。

10月2日(水)はれ 「Everything She Wants I/Everything She Wants」

 松尾一彦と福田康子によるユニットの1枚目にしてラストアルバム。全体的に暗いトーンに包まれているアルバムである。声のせいなのか、曲のせいなのか。からっと乾いた感じはあまりしません。
 リードボーカルは全曲福田康子で、松尾さんは作曲、コーラス、ギター、キーボードと裏方に徹した感じがあります。もうちょっとデュエット的な曲とかあったらなと思います。松尾さんのギターはストラトをストレートに歪ませた音色で、4人のオフコース時代に聞かせていたカラフルな音色とは正反対な感じですが、私はけっこう気に入っています。
 なお、バックには後のA.B.Cの清水さんや城間さん、またFECBの園山さんが参加していたりします。他にも、木下さんや望月さんといった小田さんのアルバムでよく聞く名前があり、この頃はすでに小田さんとの関係は修復されていたのかな、なんてワイドショー的な見方をしてしまったりして。

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