1999年8月9日 松任谷由実(横浜アリーナ)

 今回のユーミンのツアー(?)のタイトルは「ユーミンスペクタクル・シャングリラ」名前からしてすごそうであるが、内容もすごかった。フジの特番でシャングリラの舞台裏を放送していた。ロシアのサーカス、シンクロチームを呼んでライブに出演してもらおうというものである。これを見ていて思ったのは「果たしてここまで必要なのかなぁ...」「目移りしてしまって散漫になってしまいそうだ...」等など。しかし、そんな不安は実際のショーを見て吹き飛んでしまったのだ。
 ユーミンはいつも自分のライブを「ショー」と呼んでいる。今回はまさにその集大成であったと思う。これがユーミンとマンタが目指していた「ショー」の最終形なのかなと。
 開演前、ステージ上ではアクター達が箱を積み重ねています。その箱がつみ終わったと客電が落ちて、SEが流れバリライトがステージ、客席を照らします。いよいよ開演、かと思ったら4人のクラウン(ピエロですな)が登場してシャングリラにまつわるちょっとしたマイムを披露。客席はちょっと拍子抜けといった感じですが、彼らのオチがついたところで積み上げた箱が崩れて「もう愛は始まらない」でスタート!!
 1曲終わったところで早速MCです。ユーミンがどれだけこのシャングリラにかけているかという意気込みが伝わってきます。「真夏の夜の夢」の終盤では、やけに肉付きのいいダンサーが登場し最後にプールに飛び込みます。そう、彼女達はシンクロのスイマーだったのです。「人魚になりたい」では華麗なシンクロを披露。もう、これを見るだけで今回のライブは価値があったなぁとこのときに思ったのですが、それはまだまだ早すぎたと後になって思いました。スケーターによる素晴らしいアクト、クラウンたちの巧妙な笑い(お客さんに水をかけてしまうのには笑った)、そして極めつけは空中ブランコ。これらはすべてロシアから来たチームなくてはなせない技の数々でした。それらが実に見事にユーミンの曲に、あるときは曲間にマッチしていくのです。
 エンディングではユーミンが出演者全員を紹介します。そしてステージ上のディスプレイにひとりひとりの写真が写し出されます。
 怒涛のアンコールの後はラフなスタイルのユーミンが登場して「VOYGER」、そしてノリノリの「オールマイティー」へ続きます。トランプの衣装を着たアクター達がスケートを履いてステージを所狭しと動き回ります。
 ラストは武部さんのピアノにのせて「春よこい」途中から再び全員が登場して大団円を迎えました。
 終盤のMCでメロメロだったユーミンを見ればわかるよう今回のステージはまさに全員が総力をつくした素晴らしいものでした。まさにそこに繰り広げられたのは夢の世界。ショーが終わってからしばしボーっとしてしまいました。11000円は購入時に決して安いとは思いませんでしたが、それだけの価値はある素晴らしいステージでした。
 今後のユーミンは新しいアルバムのレコーディング、そして新しいツアーが始まることと思います。そこには、いつもとは違ったユーミンが、新たに登場するのでは、なんてことを思ってしまいます。シャングリラから戻ったユーミンは何処へいくのか...。
1.もう愛は始まらない
2.真夏の夜の夢
3.人魚になりたい
4.無限の中の一度
5.新曲1
6.スラバヤ通りの妹へ
7.BABILON
8.シャングリラをめざせ
9.破れた恋の繕い方教えます
10.新曲2
11.不思議な体験
12.ESPER
13.ANNIVERSARY
14.真珠のピアス
15.DESTINY
16.水の影
EC
1.VOYGER
2.オールマイティー
3.春よこい

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