2000.11.10 角松敏生”Flow”(東京国際フォーラム)

 解凍後の角松の活動は実にアクティブである。今回は8月に発売されたアルバムに合わせたツアーということで「存在の証明」からの曲をメインに構成されていた。セットは機材だけが並んだシンプルなもの。
 定刻の18:30を10分ほど過ぎてメンバーが登場。いきなり角松のMCでスタートします。「最初の反応でお客さんの層がわかる。久しぶりにいくところは登場しただけではじけてしまうが、慣れたお客サンが多いところは今日のようにシーンとしている」と話しながらギターをかき鳴らして「」でスタート。
 角松はほとんどをアコギ、たまにエレキを手にしていました。新しいアルバムのツアーらしくお馴染みの曲はごくわずかで新しいアルバムからの局が大半を占めており、ファンからも昔の曲をやって欲しいと要望が多かったそうです。そこでアンプラグドのコーナーで「マーメイド・プリンセス」等を披露。また、自分のルーツをファンに知ってもらおうということでフォークのカバーを多くやってきていて、今回はスペシャルということでポール・サイモン3連発。「you call me al」では英語で歌いづらいということで日本語の歌詞もおりまぜて盛り上がります。
 他のスペシャル企画として「Take me to the sky high」をお客様に歌ってもらうコーナがありました。お客さんの一人をステージに上げてワンコーラス歌ってもらうということでこれもスペシャルならではの企画だったようです。今回のツアーでは紙ヒコーキを飛ばす機会がなかったのでここぞとばかりに会場は盛り上がりました。
 アンコールではいつも?のように思いをぶちまけます。現在の音楽界、リスナーに対する危惧。そして自分はどうすすんでいくのか。自分は同じことをやるために戻ってきたわけではない。現状に満足することなく新化していく。そして「ついて来れる奴だけついて来い」と締めました。
 ダブルアンコールの後、ギターを床にそっと置きました。あの凍結前のように。そして、MCでは何度も「こんなに大きなツアーはやらないかもしれに」ような発言もありました。少なくとも創作に対する意欲は感じられますが、なにかがまた角松の中に起きているような気がしました。
 「これまでのツアーの中で一番思い出に残る楽しいツアーだった」とMC語っていたようにカバーの曲等をやっているときは本当に楽しそうでした。次に会えるのはどういった形なのか心配させながら、しかし期待も感じさせるライブでした。

戻る